企業のコアコンピテンスとしてのIT ~超優良企業は自前のITスタッフを有する

近年、国内ではいかにIT部門を切り離し、コスト削減を図るかに経営者の目が向いていると感じます。しかしながら、米国の超優良と言われる企業では、この動きをとっていません。
FedEx、Intel、Dell共に大勢のITスタッフを抱えています。FedExは6,000人(米国内4,500人)、Intelも6,000人、Dellは3,000人です。これらの企業は、ITを活用し事業プロセスの改革・改善を行っています。

他社製品を見て真似することは可能でありますが、他社のプロセスを真似ることは容易ではありません。FedExをはじめとする企業はプロセス構築に差異化を図る道を見出し、その差異化戦略を実現するうえでITが欠かせないという認識を持っています。

日本企業の中には、コストセンターからプロフィットセンターへの転換という名目で社内のITノウハウを外売りにすることに注力する企業もあります。その技術が優れているほど市場性があり、ビジネスとして成り立つこととなります。結果として、自社のためにIT技術を駆使し、ビジネス・プロセスの改革・改善を図る気持ちが薄らぎ、努力しなくなるのではないでしょうか。

米国の超優良企業を比較すると、日本企業の多くがIT部門の重要性、そして自社のコアコンピテンスになりうることを忘れてしまっているのではないかと感じます。